let's  いめいじん句" 

「いめいじん句"」投句大募集!

 

 

10月号「いめいじん句"」のお知らせ

 

毎月掲載される1枚のカットをもとに、

自由な発想による作品を募集します。

応募された作品を選者が鑑賞いたします。

初心者の方も大歓迎!

お気軽にご応募ください。 

 

(カット:山本耀子)

                                                                                                                                                                                                                   [例句]

缶に鳴るドロップ三個秋夕焼

どんぐりが打つ金時の力石

一つ顔でこれまで生きて夜長かな

 

                                                                                 

 ●投句方法

 投句はメールでお願いします。

専用投句フォームに必要事項をご記入のうえ

送信してください。

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いめいじん句" 投句はこちら

 

投句フォーム以外での投句をご希望の方は

下記のアドレスでも受け付けています。

info@kaseihaikukai.com

 

 

 

●締め切り

 

1031日(金)

 

●入選作品発表

 

11月予定

 

               


9月号「いめいじん句"」  入選作品発表

           山田美恵子

 

 

 

 

 

 

    篠笛を吹ける少年日焼顔      垣内孝雄

篠笛は篠竹で作った横笛で、里神楽や獅子舞などの囃子に使われます。

少年は秋祭の稽古でしょうね。

真っ黒に日焼けした顔ですが、熱心に練習しているのでしょう。

作者はそのような少年を好もしく見ておられるのです。

  

  坑口は壁に閉ざされ草の花      芦田 美幸

鉱山や炭山の坑道の口が壁でふさがれている景をご覧になったのでしょう。

侘しい景色ですが、そこにかわいい草の花が咲いていたのならほっとします。

銀山や鉱山など採掘跡は各地で見られますが、危険な仕事です。

吟行をされたのでしょう。

   

  秋ひざしわたる鳴く声カッコウか   夏草

郭公は夏の季語ですが、秋日差しの中で郭公の声が響いていると詠まれたのでしょう。

郭公は声を連想しますので、「鳴く声」は省略できます。

郭公は閑古鳥とも言い、五字で使えます。

俳句を思い浮かべられたら、季語辞典などで、言い換えの言葉を探すのも楽しいですよ。

「いつまでも秋日募らせ閑古鳥」

 

軒先に色鳥待ちつ笛の音       藤川雅子

色鳥は秋に渡ってくる美しい鳥を言います。

俳句の場合待つより見えている景色を詠まれた方が良いと思います。

その方が軒に聞こえてくる笛の美しさも想像できると思います。

 

泣き顔は笑顔に近し敬老日      坂倉一光

笑顔と間違えるような、そんな泣き顔。心の中は複雑ですね。

季語を「敬老日」とされたのはこれまた複雑ですね。

老人も様々で祝われて喜ぶ方も多いですよ。

歳を取るほど幸せを感じる人もいます。

鈴木真砂女の句に「今生のいまが倖せ衣被」があるほどですから。

季語はあっさりと「草の花」あたりで如何でしょう。

 

  ことりくるぴよぴよなくからぴよこでしょ  ゆずみ

幼女は大人の会話にとらわれない、楽しさがありますね。

「小鳥来る」の季語は仲秋から晩秋に渡ってくる小鳥、

山から里へ下りて来る小鳥などを言いますが、

声を聞く喜びがあり、俳句の景も様々に広がります。

 

風の谷月光纏い獣舞う         葵

月光を纏ったような美しい谷。風が少し吹いているのでしょうか。

秋の澄み切った夜の谷、素敵です。

でも獣が舞うのはちょっと変。「舞う」を省きましょう。

夜の景色なので「鳥獣」とされると鳴き声など想像できます。

「鳥獣月光纏ふ風の谷」

 

オカリナの音のいろ淋し秋のいろ    田中権

誰かが吹いているオカリナを聞いて寂しくなられたのでしょうか。

澄み切った秋の色のようだと思われたのでしょう。

「音のいろ」は音色ですね。「秋のいろ」よりも私だったら

「オカリナの音色さびしき白露かな」なんて収め方をしますが。

 

笛の音に足並みそろえ秋高し      小豆

秋祭ですね。

踊りの白い綺麗な足袋が足並みを揃えて踊っている景が浮かびました。

良い所を捉えられて一句にされています。

 

雀寄る大きなる口ジャックオーランタン  宇佐美好子

ジャックオランタンはハロウィンの南瓜おばけですね。

悪霊が家に入らないよう魔除けに戸口に吊られるそうです。

楽しい俳句ですが、残念ながらジャックオランタンは季語ではないようです。

季語は「ハロウィン」やその前後の「万霊節」です。雀も季語になりませんので

「ジャックオーランタンの大きな口へ小鳥来る」とすると季語が入ります。

色々季語を考えてみて下さい。俳句の上五と下五は字数オーバーは許されます。

ジャックオランタンでまだまだ句が出来ますね。

 

秋夜半生きる吾を知る脈の音      昼寝

手を当てて脈拍を調べておられるのでしょうか。

脈を打つことは命の証しです。生きる不思議でもありますね。

このような気持ちの時は「秋思」と言う季語があります。

「吾が脈の音聞いてゐる秋思かな」面白い所を詠まれていると思いました。

 

空高し想い馳せゆく彼の地へと     小麦

「思いを馳せる」とは遠く離れているもののことを思う言葉ですが、

「彼の地」だと「何処なの」と鑑賞者は想像しにくいのです。

でも内緒でしたら「天高し彼の地へ想い馳せにけり」と中七下五を入れ替えて下さい。

そうすると空の澄んだ美しさで貴方の気持も想像できます。