let's いめいじん句"

「いめいじん句"」投句大募集!
4月号「いめいじん句"」のお知らせ
毎月掲載される1枚のカットをもとに、
自由な発想による作品を募集します。
応募された作品を選者が鑑賞いたします。
初心者の方も大歓迎!
お気軽にご応募ください。 カット:山本耀子
[例句]
鳥の巣に一番星のあらはれぬ
斑鳩の鐘のとどきし古巣かな
引籠りなど論外と巣立ちけり
●投句方法
投句はメールでお願いします。
専用投句フォームに必要事項をご記入のうえ
送信してください。
↓
投句フォーム以外での投句をご希望の方は
下記のアドレスでも受け付けています。
info@kaseihaikukai.com
●締め切り
4月30日(水)
●入選作品発表
5月予定

3月号「いめいじん句"」 入選作品発表
大山文子選
初燕エントランスのドアボーイ 芦田美幸
このホテル、きっと高級ホテルでしょうね、回転ドアだったりして。
燕とドアボーイとの共通点はドアボーイの制服とお客様、美幸さんの目は見逃しません。
天上の高いエントランスが見えます。
燕のお宿はもちろん外です。
古びたるヴィトンのバック蝶の昼 垣内孝雄
古くなってもヴィトンはヴィトン、却ってプレミアが付いたりします。
斡旋された季語が「蝶の昼」上手くいきましたね。
物憂げな雰囲気が漂います。
長い人生の中で矜持を支えてくれたヴィトンのバッグかもしれません。
物語がありそうです。
ゆらゆらとミモザ咲く道旅鞄 藤川雅子
旅の途中での一齣です。この句もレトロな雰囲気が伝わります。
風はそよ風、ゆったりと歩を運ぶ姿が浮かびます。
時間はたっぷりあります。春を楽しみましょう。
手探りで辿り着けない蜃気楼 葵
梅の香にたゆたう想いうつむいて 葵
一句目、蜃気楼そのものを詠まれていますが、心象もまた曖昧です。
しかし何かを求めていらっしゃることはわかります。
手に入らないものを探す手です。
二句目、独り言のような一句、この梅はやはり紅梅でしょうね。
春先にメランコリーな気分に落ち込まれたようです。
美味しいものでも食べて気分を入れ替えて前を向きましょう。
くそじじいなんて言ひし子卒業す 坂倉一光
一光さん、「くそじじい」と言われたんですか、
多感な時期の子供の発言とは言え傷つきますよね。
そんな子が今日卒業式を無事に迎えました。
この子の行く道が幸多かれと祈るばかりです。
これからは誰も盾になってはくれませんもの。複雑な心が伺えます。
今生に相席いくつ春の暮 芦田美幸
「相席」をこのように詠まれた句は初めて拝見しました。
この句の根底には「一期一会」があります。
日々心を尽くして過ごさねばと思ったことでした。
置かれた季語が「春の暮」さまざまな別れがあった春の暮です。
古鞄染み浮く手にも春の風 田中 権
いつも間にか手の甲に顔にできた「染み」私も悩みの種です。
静脈も浮いて染みも出て年寄りの手になりました。
この句ですが語順を入れ替えてはいかがですか。
きっと使い込まれた愛着のある鞄でしょう。
春風や染みの浮く手に古鞄
通学の鞄は重しげんげん田 宇佐美好子
子供の頃の通学風景ですね。
教科書、ノート、筆箱、下敷き、体操服にお弁当本当に重かったです。
でも通学途中には蓮華畑が美しく空には雲雀が鳴いていました。
懐かしい風景です。
笑顔良き女医に診られて春うらら 昼寝
昼寝さん主治医は女性ですか、良かったですね。
上五から察するに経過は良好ですね。
帰りはどこかへ寄り道でしょうね。いい春ですね。