let's  いめいじん句" 

「いめいじん句"」投句大募集!

 

 

 

月号「いめいじん句"」のお知らせ

 

毎月掲載される1枚のカットをもとに、

自由な発想による作品を募集します。

応募された作品を選者が鑑賞いたします。

初心者の方も大歓迎!お気軽にご応募ください。

今月募集する作品は右のものです。

                                   カット:山本耀子

                                                                                                                                             

[例句]

指きりの指をなんどもさくらんぼ

白南風の中へ木鋏差し入るる

残業の窓にあふるる揚花火

                                                                                 

 ●投句方法

 投句はメールでお願いします。

専用投句フォームに必要事項をご記入のうえ

送信してください。

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投句フォーム以外での投句をご希望の方は

下記のアドレスでも受け付けています。

info@kaseihaikukai.com

 

 

 

●締め切り

 

30日(日)

 

●入選作品発表

 

月予定

 

               


5月号「いめいじん句"」  入選作品発表

                     河崎尚子選

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 新緑の川のほとりを二人づれ                                   南野ひとし

ひとしさん自身を詠まれた景でしょうか。それとも川筋を歩く知らない人の景でしょうか。

ひとしさん自身の景ならインパクトがありますが、見知らぬ二人づれの景を描かれているのなら

インパクトに欠けた句となってしまいます。

何処かにひとしさん自身の思いを感じさせてください。

 

 若葉燃ゆ楠大樹の下君を待つ                                   菅野火星

楠は葉が茂り過ぎるほどよく茂り楠の木影はとても涼しいものです。

若葉の頃同時に古い葉が散ります。濃い色の古い葉を落としながら

淡い色の若葉が萌えだすのは勢いがあって生命力を感じさせます。

その景を「燃ゆ」と表現されたのでしょう。そしてそれは下五「君を待つ」にも

掛けていられるのかとも取れますが気の回し過ぎでしょうか。

 

 たて干しの網を抜け出す鰻かな                                坂倉一光

たて干し、遠浅の海に長方形の網又は簀を立てて潮の干満の差を利用して

魚を捉える漁法とあります。この「たて干し」は鰻の上る川に建てられたものでしよう。

まだ小さかったのか、鰻は「たて干し」をするりと抜けてしまいました。

乱獲を防ぐため、食するのに充分大きくなった鰻だけを捕獲するための工夫なのでしょう。

体をくねらせて網を抜ける鰻と、それを見つめる作者の姿を目の当りにするようです。

きっちりとした写生句だと思います。

 

 かけ出して子のひるがへす捕虫網                           みさを

一瞬を捉えられた躍動感のある景が見えます。この時期ですので蝶々でしょうか。

草丈に近い低さでひるがえした網が蝶を追いかけてひるがえす度に

だんだん高くなって行く景が思い浮かびます。

いいえ、補虫網は一振りで蝶を捉えたのかもしれません。

緑をバックに白い補虫網と蝶々の舞う景の美しさを目の当たりにするようです。

 

 どぜう汁口にこはごは運ぶ我                                   紀風

丸のままの泥鰌とささがきゴボウなどを入れた味噌汁、

夏の栄養補給に好まれると辞書にあります。

何しろ丸のままの姿ですから、口に入れるのは勇気がいります。

椀を持つ手の微かな震えさえ見えるようです。泥鰌は箸にしっかり挟めたのでしょうか?

筆者は泥鰌汁を戴いたことがないので解らないのですが、

想像するだけでくすりと笑ってしまいます。諧謔味十分の素敵な句。

 

  麦の秋川のくねりに古戦場                                       こつこ

中七下五からこの戦は姉川の戦いだろうと推察します。

小谷城主の浅井長政は織田信長の妹、お市の方を夫人にし、織田家と同盟を結んでいましたが

長政と親交のあった朝倉氏を信長が攻めたので長政と信長の間に確執が出来、

浅井、朝倉軍、と織田、徳川軍の姉川を挟んでの戦いが始まりました。

戦は激しく、姉川は血で染まり、血原、血川橋という地名が今でも残っているほどです。

「川のくねり」はお市の方と三人の娘たちの人生の「くねり」をも

暗喩しているのかも知れません。

                                                      

  天網を洩れてかそけき夏の星         昼寝

住宅街でも街灯が自動的に灯り、暗さに怖い思いをする事がなくなりました。

が、星空を見る事は滅多になくなり、寂しささえ感じます。

「天網恢恢疎にして漏らさず」という言葉がありますが、

近頃、悲しい犯罪が何の罪もない人を襲いました。

それはさて置き、「天網を洩れて」のスケールの大きい表現と

「かそけき」の繊細な表現の組み合わせがとても詩的で感心させられました。

 

  眼前に新緑の山盛り上がる                                       芝香

下五の生命力のある表現が生きています。

どの樹も新緑の頃は湧き立つようで、遠目には山自体が大きくなったように思えます。

ご自宅の窓から見られた景でしょうか。生命力を思わす、力強い句が立ち上がりました。

 

  初夏の風しなる竿先藍の底          晴音

何か釣れたのでしょうか。今、竿の先がしなっているわくわく感が伝わります。

下五の「藍の底」の表現が詩的で、海の深さをも思わせます。

釣舟に乗っていられる景でしょうか。海風の匂いまでしてきそうです。

 

  鮎釣りを日課としたる友の逝く                                 翠丘

吉野川辺りにお住まいの方だったのでしょうか。

日課とされているからには、鮎釣りの名人だった方なのでしょうね。

亡くなられた方の日常のみをさらっと表現された事に、

反って翠丘さんの哀しさや寂しさが読手に伝わります。