let's  いめいじん句" 

「いめいじん句"」投句大募集!

 

 

10月号「いめいじん句"」のお知らせ

 

毎月掲載される1枚のカットをもとに、

自由な発想による作品を募集します。

応募された作品を選者が鑑賞いたします。

初心者の方も大歓迎!お気軽にご応募ください。

                               カット:山本耀子

                                                                                                                                             

[例句]

ひょんの実の風聞いて来し腕時計

長月の日時計の上の鳥の糞

雁渡るクレオパトラの天体図

                                                                                 

 ●投句方法

 投句はメールでお願いします。

専用投句フォームに必要事項をご記入のうえ

送信してください。

いめいじん句" 投句はこちら

 

投句フォーム以外での投句をご希望の方は

下記のアドレスでも受け付けています。

info@kaseihaikukai.com

 

 

 

●締め切り

 

1031日(木)

 

●入選作品発表

 

11月予定

 

               


9月号「いめいじん句"」  入選作品発表

                     河﨑尚子選

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   取るべからず野にあつてこそ烏瓜                       南野ひとし

烏瓜の花は夏に縁が糸状に裂けた美しいレ―スのような花を咲かせ、

そのあまりにも繊細な美しさに手を出すのを躊躇しますが、晩秋、山路で実を見つけると

その可愛らしさに手が伸びてしまうのは仕方がないような気がします。

が、句の通り「野にあってこそ」ですね。

 

  静かなるiPS棟空高し                                       菅野 強

この棟はiPS細胞を研究している棟の事ですね。

iPS細胞とは細胞を培養して人工的に作られた多能性の幹細胞の事です。2006年8月に

京都大学の山中伸弥教授らは世界で初めて皮膚に分化した細胞に、ある遺伝子を組み込むことで

あらゆる生体組織に成長できる万能な細胞を作ることに成功したのです。

これは成熟した細胞を多能性を持つ状態に初期化する、つまり細胞の時間を巻き戻すような

画期的な発見で、今後の再生医療創薬研究に役立つことが期待されています。

季語「空高し」に、今、病に侵されている人達の大きい希望と願いを思わせます。

 

  銀杏散るひとり娘を真ん中に        坂倉一光

なんて幸せな素敵な景でしょう。

一見ごく平凡な景に思えますが、平凡の素晴らしさは何年か経った後にこそ光を放ちます。

金色の銀杏の葉が降って来る景さえ見えるようです。

 

  ほおずきのドレスに包んだ秋の思い出               真理

「秋の思い出」がありますので「ほおずきのドレス」は鬼灯の模様だと取りました。

鬼灯のドレスにはどんな思い出があるのでしょう。

子どもの時のドレスだったら、学芸会での主役。

または発表会で素晴らしい演奏をされた時のドレス、

今の身の丈に合うドレスなら、旦那様にはじめて会った秋の日だったのだろうかとか。

読み手はいろいろに想像を広げます。

 

  娑婆離れ弧雲気ままに秋を行く                            昼寝

「娑婆」人間が現実に住んでいるこの世界、苦しみが多く、忍耐すべき世界とあります。

そんな人間世界の空たかく、ひとひらの雲が真青の秋の空を流れていく。

作者は上五の境地を目指していられるのでしょうか?

傷つくことや、思い通りにならないことが在っても、少し離れた場所に立つことによって、

客観的に物を見て判断をし、進むことが出来るという事でしょうね。

 

  上がり框に鬼灯と回覧板                                        加能雅臣

回覧板を届ける様に言われた子供が鬼灯も置いて行ったのでしょうか。

真っ赤に熟した鬼灯は目に付きやすく回覧板が紛れることなく読まれ、

次の家に送られた事でしょう。心遣いが素敵ですね。

「上がり框」にご近所同士の親密さをうかがわせます。

 

  深窓に鬼灯熟すのんどりと                                   こつこ

のんどり」伸びやかにという意味ですね。関西に育った筆者は知りませんでした。

深窓の鉢植え育ちの鬼灯は手入れも行き届いて、葉は大きく実も大きいのでしょう。

鬼灯に「のんどり」の言葉は良く会いますね。関西弁ならなんというのでしょうね。

赤く可愛い鬼灯はお部屋をあかるくしているのでしょう。

 

  透けてゐる鬼灯眺めお茶すする                            紀風

鬼灯を包む宿存萼が繊維だけになって中の鬼灯が透けて見えているのでしょう。

可愛くて繊細で子供でなくてもつい手が出てしまいそうです。

活けてあるのでしょうか。素敵なお茶の時間をたのしんでいられる景が浮かびます。

 

  鬼灯や内に昼間を閉じ込める                                蝶番

鬼灯の果実を被う袋状の萼を宿存萼と言うのですね。

秋も夜は何か羽織るものが欲しくなるくらいですが

袋に包まれている空間はまだ昼の暖かさをとじこめているのでしょうか。

そういえば鬼灯ってそんな暖かさを感じさせますね。

 

  夕映えも鮮やかにして烏瓜         芝香

赤く美しい夕映え。その夕映えより赤く熟れた烏瓜、

夕映えの大きな景にアクセントを加えているような烏瓜。

一服の絵画のような景が立ち上がりました。

秋の夕陽が早く落ちてしまうと惜しく思うのはその美しさのせいでしょうか。

 

  砲響き蒼天あおぐ万国旗                                         晴音

運動会の景でしょうか。万国旗が校舎の窓から窓へ伸ばされ青空が一層、蒼く見えるようです。

ピストルの音が響いて、子供たちが全力疾走。 

体格の大きい子供が速いのだろうと思っていましたが

思わない小柄の子がテープを切っていました。先日運動会を見に行ったのですが。

吸い込まれそうな蒼天でした。

 

  耳さとく立てば降り来る木の実かな                     みさを

木の実が降って来るのを待っていられるのですね。何の実でしょうか。

栗の実やどんぐりならば身を反らせてよけなければ大変です。

葉の積もった地面の上なら落ちる実はがさっと音を立てるでしょうが大きな音ではありません。「耳さとく」は納得です。