let's  いめいじん句" 

「いめいじん句"」投句大募集!

 

 

 

12月号「いめいじん句"」のお知らせ

 

毎月掲載される1枚のカットをもとに、

自由な発想による作品を募集します。

応募された作品を選者が鑑賞いたします。

初心者の方も大歓迎!お気軽にご応募ください。

今月募集する作品は右のものです。

                                                                                                                                      

                                   カット:山本耀子

                                                                                                                                             

[例句]

知らぬ子が一人入りゐる掘炬燵

背の子の身を反らしたる獅子頭

一陽来復キューピー人形手を拡げ

                                                                                 

 ●投句方法

 投句はメールでお願いします。

専用投句フォームに必要事項をご記入のうえ

送信してください。

いめいじん句" 投句はこちら

 

投句フォーム以外での投句をご希望の方は

下記のアドレスでも受け付けています。

info@kaseihaikukai.com

 

 

 

●締め切り

 

1231日(月)

 

●入選作品発表

 

月予定

 

               


11月号「いめいじん句"」  入選作品発表

                     河崎尚子選

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  隣より犬の遠吠え花八手                                               南野ひとし  

犬の遠吠えは何故か悲しそうで、ちょっと放っておけない気にさせます。

ましてお隣なら尚更で犬の様子も気になります。

一方、冬の初めに咲く花八手は小さな白い花が丸くかたまって咲き、暖かさを感じさせます。

お隣が気になったひとしさんが様子を窺いに出られたので

犬は喜んでひとしさんに尾を振ったのでしょう。

季語がそんな暖かさで句を包んでいます。 

   

   湯気上がる肩にこぶこぶラガーマン                      坂倉一光

楕円形のボールを奪い合う肉体のぶつかり合い、昔々私の通っていた高校もラグビー部があり放課後練習試合などを見ていた日々もありました。スクラムを組むときの肩と肩が当たり合う音は少し怖い思いをさせられた程です。「こぶこぶ」肩の筋肉が盛り上がっているのでしょうね。胼胝が出来ているのかもしれません。体全体から湯気をあげ、楕円形のボールに食らいつき、ゴールへ突っ走る背中や、こぶこぶの肩で息をしている姿を目の当たりにしているような臨場感を感じさせる句です。

 

   開園の薄目の駱駝冬旱                                                   尼島 里志

そう言えばラクダは背が高いからでしょうか。

木の葉をあの長い舌で巻き込むように食べる時以外は、

空を見上げている時は少ないような気がします。動物園の駱駝ならなおの事、

足元に置かれた飼葉桶に首を入れて食事をするでしょうし、

俯いたり、真っ直ぐに前を向いている時は薄目をしている時が多いですね。

長い睫毛がちょっと憂い気味で、故郷を懐かしんでいるのかな、などと思わせる薄目の眼差しですね。

 

   神の留守シュレディンガーの猫の夢                           田中 哲司

理論物理学者であるシュレディンガーは、量子力学「シュレディンガー方程式」を

作った程の人ですが、後に、その「量子力学と言うミクロの物質についての不可思議な理論」を

けなすため「量子とそれに反応するセンサー、そして猫を箱に入れ、

蓋をしてミクロの世界とマクロ(現実の)世界とのかかわりの実験をしました。

シュレディンガーの猫とはこの実験に使われた猫の事です。

「量子の位置によって猫の生死が決定されるのだが、量子の位置は決まっていなく、

複数の場所に同時に存在し、理論的に猫は「同時に生きていて、死んでいると言う可能性が存在する」と言うことになるらしい。パソコンで調べてみましたが筆者の頭脳には理解を超えていて、

作者の句に込められた本意を感じ取る力がありません。

その猫は一時間程箱に入れられて生死の両境に居たそうですが夢は見たのでしょうか?

 

   キャラバンの越ゆる砂丘か月悲し                                 秋生

キャラバンを組んで砂漠を行くのですね。「月の砂漠」の歌を思わせる句が立ち上がりました。「

月の砂漠」は王子様とお姫様だけの旅ですが、

実際はその様な少数で砂漠を越えていくのは不可能だと聞いたことがあります。

砂丘は風の吹き方ひとつで景が全く変わってしまい、方向は星を頼りにするらしいです。

キャラバンの長い影が月の砂丘に延びているのを目の当たりにするようです。

 

   亡父愛でしラクダの肌着着る冬日                                  昼寝

ラクダのイラストからラクダの肌着へ発想を飛ばされた微笑ましい句が立ち上がりました。

亡くなられた父上が愛用されていた暖かいラクダのシャツ。

体感的に暖かいのは勿論、父上への思いも彷彿とさせる暖かい句だと感心させられます

。暖かくて優しいお父様を尊敬されていたのが読み手に伝わりほんわかとさせられます。

 

   砂漠にてラクダに揺られ冬の旅                                      紀風

砂漠の冬はどんな気候なのでしょう。風が強く吹くのではないのかと思われます。

ラクダの足の裏は厚く柔らかく、砂にめり込むのを防ぎ、鼻孔は開閉出来て砂が入り込まないので

運搬用、乗用として飼養され砂漠の旅行に重要な家畜です。

どの様な旅だったのでしょう。ラクダに揺られて行く旅なんて一度は経験してみたいものです。

ロマンを感じさせてくれる一句。

 

   ラムネ飲み空見上げれば葉に顔が                                    白根悠花

今年の11月は寒暖の差が激しかったですね。

俳句の季節で言うとすでに冬に入っているのですが、半袖で外出できるほど

暖かい日があると思えば急に寒い日が来たりします。

ラムネは夏の季語ですがラムネを飲みたいと思う様な日さえありました。

ラムネを飲む時はのけぞって飲みますから空を見上げることになります。

大きな葉が悠花さんの顔に覆いかぶさるように近くあったのでしょうか、

それとも落ちてきたのでしょうか。

「顏に葉が」なら小さい葉を思い浮かべますが

「葉に顔が」ですから顔を覆い隠すような葉だったのでしょうね。 

 

   照り紅葉残り一枚ふるえてる                                            白根紗知子

今年の紅葉の綺麗さは格別な気がします。昨日京都の真如堂に行ってきたのですが、

燃える様な紅葉の美しさにこの世のものかと思うほどでした。

今年は温度が比較的高かった故まだほとんど散ってはいませんでしたが、

紗知子さんがご覧になった紅葉はほとんど散っていたのですね。

落ちずに残った一枚が風に震えている景を目の当たりにするようです。

きっちりと描写された写生句だと思います。美しくて、少し寂しげな景が魅力的です。

 

   丘超えてキャラバンの消ゆ冬の星                                     翠丘

長々と続くキャラバンの列が砂丘の丘を越えていったのでしょうね。

冴え冴えとした冬の空の星座をたよりにどのぐらいの距離を行くのでしょう。一度アラビアラビア半島の上を飛行機で横切ったことがありますが、下界は只々砂の平原が広がっていましたが、

幾か所かスプリンクラーらしきものが回っていて緑の円がポツンポツンとありました。

何千メートルの上空から見たのですから本当はその円形もずいぶん大きな物に違いありません。

それにしても砂漠の広さは想像もつかない程です。

星空の下の見渡す限り何も寄る辺のない夜の砂丘を渡る人は

どんなにか心の強い人でしょうと思わざるを得ません。 

                        

   砂漠の薔薇(サヘルローズ)」と名告る少女や月冴ゆる                      こつこ

イラン出身のタレントであり女優。NHKの探検爆などに出演。

検索してみると「4歳の時イラクの空爆で家族13人全員を失い孤児となった。

救護隊ボランティアをしていたテヘラン大学の女子大生に助けられ、その養女となり、日本に来た。

現在、仕事の傍ら、人権を訴えるNGO日本代表の土井香苗と一緒に

日本の養護施設をサポートする活動を行っている」とあります。

知る程に「艱難汝を玉にす」と言う言葉そのままの人生を歩まれている女性だと思わされ、

「サヘルローズ」という名がこの女性の人生を象徴的に表しているのだと感じ入ります。

 

   寒月に煌と照らされ火焔山                                                 みさを

火焔山は西遊記にも登場し炎が上がる山として描かれています。

検索によると「夏の気温は50度を超えることがあり、地形と気候が特徴で現在、

観光のスポットとしても有名である。砂岩が侵食してできた赤い山肌は

炎を思わせる模様となっている」とあります。

寒月に皓皓と照らされた山肌の赤さはよりすごく見えるのでしょう。

火焔山のあるタクラマカン砂漠の北端はシルクロード天山南路として利用されていて、

路上には仏教寺院があり70の洞窟があるといいます。

火焔山は商人にとっては仕事の、僧侶には修行の一里塚でもあったのでしょうか。

寒月に照らされた火焔山は彼らにとって苦難の、又時には達成の象徴だったのかも知れません。