let's  いめいじん句" 

「いめいじん句"」投句大募集!

 

11月号「いめいじん句"」のお知らせ

 

毎月掲載される1枚のカットをもとに、

自由な発想による作品を募集します。

応募された作品を選者が鑑賞いたします。

初心者の方も大歓迎!お気軽にご応募ください。

 

                                                                                        カット:山本耀子

                                                                                                                                          [例句]

焼芋を割る真つ新の軍手かな

手袋に母のぬくもり遺りをり

ストライクの大きな声や冬ぬくし

                                                                                 

 ●投句方法

 投句はメールでお願いします。

専用投句フォームに必要事項をご記入のうえ

送信してください。

いめいじん句" 投句はこちら

 

投句フォーム以外での投句をご希望の方は

下記のアドレスでも受け付けています。

info@kaseihaikukai.com

 

 

 

●締め切り

 

1130日(火)

 

●入選作品発表

 

12月予定

 

               


10月号「いめいじん句"」  入選作品発表

               蘭定かず子選

 

 

 

 

 

   朝鈴や靴履き替へて出勤す 上山まこと

「朝鈴」とは草雲雀のこと。

明け方小鈴を震わせるように細く美しい声で鳴く秋の虫です。

出勤の靴ひもを結ぶとき、ふとその声を聞きとめたのでしょう。

靴も履き替えたばかり、幸先の良い一日のスタートを切って家をあとにする作者です。

   

  秋ともし棚のファーブル「昆虫記」 垣内孝雄

「昆虫記」懐かしいです。小学生の頃よく読みました。

永きに亘り世界中で読み継がれている一書です。「秋ともし」が良いですね。

読み手にまでしみじみとした秋の夜の静けさが伝わってきます。

 

  秋深し太宰が好きで大嫌い 坂倉一光

「太宰が好きで大嫌い」に屈折した思いが窺えますが、結局のところ

作者は太宰の作品も含め、その生きざまにも興味が尽きないでいるのだと思います。

深く読めば読むほど、共感できたり矛盾を覚えたりする心情を秋の気配が包み込んでいます。

  

 手のひらの空蝉や爪ちからつき 藤川鷗叫

手のひらに載せられた空蝉。空蝉ですから「爪ちからつき」は言わずもがなです。

具体的に爪の力尽きた様子を詠まれたら一層哀れさが伝わると思います。

詳しく観察してみてください。

 

 青く散る取り残された銀杏かな 白根悠花

黄葉しきらず、うっすらと青さを残したままの銀杏の葉を見つけられたのでしょう。

ただ原句だと散ってしまった葉なのか、それともまだ枝先に残っている葉なのか曖昧です。

一例として<銀杏葉の青さを残し散りにけり>を挙げますが、他いろいろと試してみてください。

   

 とんぼうが光をこぼしゆく水面 宇佐美好子

水面からとんぼが飛び立つときの様子を詩情たっぷりに詠まれました。

水面を離れるとき、とんぼが零したかすかな水雫、その一瞬のきらめきを

「光をこぼしゆく水面」と透明感豊かに表現されたと思います。

 

 秋晴れや模試塾部活孫の志気 昼寝

孫は双子、の添え書きがありました。高校生くらいのお孫さんなのでしょうか。

模試に塾、それに部活と現代の学生さんは忙しさも半端ではありません。

それが二人分なのですからその大変さは押して知るべしです。

でもそれらも難なくこなし、頼もしいお孫さんの様子が見えてきます。

 

 炊屋とおぼしきあたり赤のまま あるてみす

炊屋とは飯を煮たきするところ。または 神に供える神饌を炊くところ、炊殿とあります。

この句の場合は後者の方でしょう。かつては立派だった炊屋も今は跡かたもなく、

その建物があったという辺りに「赤のまま」だけが群れ咲いています。

 

 空蝉や夫と歩いた林道 ふうこ

かつて夫と共に歩いた林道をゆく作者。さまざまな思い出が懐かしく蘇ってきます。

語り合ったこと、笑い合ったこと、その日の空の青さや樹々の匂い等々。

拾いあげた空蝉を手にしてゆっくりと歩んで行かれたことでしょう。

 

 厨ごと終へし背へつづれさせ みさを

日常の慎ましやかな一齣に詩を見い出されました。

台所仕事を終え消灯のスイッチを押すと、どこからか「つづれさせ」の声が。

今日一日の無事に安堵しつつ虫の音に聞き入る作者がいます。

 

 雨降って秋深まれる里田かな 芝香

晩秋の田と言えば、刈入れを終えた静かな田の面が想像できます。

辺りの山々も色づき、間もなく訪れる冬の気配を漂わせています。

雨の後なら尚更季節は深まっていくことでしょう。

「かな」止めの着地が良いと思いました。