let's いめいじん句"
「いめいじん句"」投句大募集!
1月号「いめいじん句"」のお知らせ
毎月掲載される1枚のカットをもとに、
自由な発想による作品を募集します。
応募された作品を選者が鑑賞いたします。
初心者の方も大歓迎!
お気軽にご応募ください。 カット:山本耀子
[例句]
父母からの米かんばしき薺粥
精米所の糠のこぼるる雪催
弁当の固き結び目大試験
●投句方法
投句はメールでお願いします。
専用投句フォームに必要事項をご記入のうえ
送信してください。
↓
投句フォーム以外での投句をご希望の方は
下記のアドレスでも受け付けています。
info@kaseihaikukai.com
●締め切り
1月31日(金)
●入選作品発表
2月予定
12月号「いめいじん句"」 入選作品発表
山田美惠子選
短夜の電気ポットの湯がたぎる 垣内孝雄
「短夜」は夏の季語で短い夏の夜を惜しんで使われます。
珈琲でも入れられるのでしょうか。夜を楽しんでおられるのでしょう。
夏も良いですが、現在の季語も考えられては如何でしょうか。
景色や思いもかわってきます。「寝正月」なんて季語も面白いですよ。
漆黒の静けさに舞う冬銀河 葵
星々が漆黒の中静かに舞っていると感じて詠まれたのでしょうか。
私も昔旅をして天の川を見たことがあるのですが壮大な神秘さを感じました。
もう一つの解釈は冬銀河の空の下で踊ってられるとも見受けられます。
美しい風景がみえますね。
壺のなかつかれし毛先除夜の鐘 藤川雅子
壺は湯壺のことでしょうか。
新年に向けて疲れた体をねぎらっての湯ぶねに浸かっておられるのでしょう。
特別な安堵がありますね。「疲れし毛先」は髪の毛が気の毒です。
<除夜の鐘湯船に毛先揺れてをり〉
年の暮鏡の中の我の顔 坂倉一光
鏡に映る自分の顔は日によって違いますね。
雨の日、明るい日差しのある日、お酒を呑んだあくる日の顔、さまざまです。
「年の暮」と切らず、「歳晩の」とされては如何でしょう。
忙しそうな貌、一年を振り返っている貌、それとも反省の貌かな。
十数へお湯を待ちつつ冬の朝 田中権
蛇口を捻って十数えて湯の出てくるのを待っている、そのことを詠まれたのでしょうね。
面白い発想ですね。確かに寒い冬の朝は水から湯になるまで数秒かかります。
「冬の朝」とされるより「冬籠」だと生活感がでますよ。
〈十数へ湯の出待ちゐる冬籠〉
ベーグルに砕けし奥歯もがり笛 宇佐美好子
ベーグルはドーナツ型の堅焼きパンですが、歯が割れたのでしょうか。
私も経験があり、その気持よく分かります。
三句頂いて三句とも歯のことでしたのでお辛かったのでしょう。
早く治してお正月をお迎えください。
冬温し歯科医の胸が髪に触れ 昼寝
昼寝さんも歯医者さん通いです。でも女先生でしょうか。
ちょっと胸がどきどきして楽しまれていますよね。
奥様には内緒、内緒。
歯ブラシの色どり新たお元日 芦田美幸
家族の数だけ新しい歯ブラシが並んでいるのでしょう。
こんな景色もお正月の清々しさを感じますね。
2024年の夜が更けてきました。幾つになっても元旦は気持が洗われます。
良いお年をお迎えください。