let's  いめいじん句" 

「いめいじん句"」投句大募集!

 

 

1月号「いめいじん句"」のお知らせ

 

毎月掲載される1枚のカットをもとに、

自由な発想による作品を募集します。

応募された作品を選者が鑑賞いたします。

初心者の方も大歓迎!お気軽にご応募ください。

 

                                                      カット:山本耀子

                                                                                                                                             

[例句]

折鶴の影のつがひも大旦

あを空に向き啼く鶴の息こほる

色紙の白をたたみて冬籠

                                                                                 

 ●投句方法

 投句はメールでお願いします。

専用投句フォームに必要事項をご記入のうえ

送信してください。

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投句フォーム以外での投句をご希望の方は

下記のアドレスでも受け付けています。

info@kaseihaikukai.com

 

 

 

●締め切り

 

31日(金)

 

●入選作品発表

 

月予定

 

               


12月号「いめいじん句"」  入選作品発表

                     河﨑尚子選

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

     谷底の一軒宿の牡丹鍋                                       坂倉一光

上五、中七に両側から山が迫っている景が目に浮かびます。

この一軒宿はめったに人も来ない山奥にあるのでしょうか。

句を読んで、今にも猪や熊に出交わしそうな篠山の山裾の牡丹鍋屋を思い出しました)

大きな囲炉裏や自在鉤に吊るされた鍋、大皿に牡丹の花の様に盛られた猪肉、

匂いや湯気、美味しさまでを想像してしまいます。

上五、中七、飾り気のない素朴な表現だからこそ、大きな時空を思わす素敵な句だと思います。

 

  ジーンズと氷柱が好きな女の子                       菅野 強

「女の子」は何歳なのでしょう。6年生か中学生になったばかりでしょうか。

思春期に差し掛かった頃のお嬢さんを想像しました。

透き通った氷柱に心を奪われる純粋さと、

大人の域に入りかけの女性としてのお洒落への欲望を兼ね備えた

微妙な年ごろの美しさと危うさの魅力を感じます。

ナイーブな感性が捉えた写生句が立ち上がりました。

 

  ゆずぽんの好みそれぞれ寒波来る                   上山まこと

鍋料理を前にしていられる景ですね。ぐつぐつと煮える音と香りがするようです。

そうです。煮えあがった具の味を決めるのは「ゆずぽん」との相性ですね。

何種類かの「ゆずぽん」が用意されているのでしょう。

行き届いた方が用意されたのですね。

 

  満月のかがやく夜と冬の風                                白根悠花

東京では、冬の夜空は他の季節よりも晴れ切っている事が多いようですね。

寒さが強い程空気も澄み切って、遠くの踏切の音や靴音までが聞こえる事があります。

そんな夜の満月なのですね。あんまり満月が美しいので外へ出て見られたのでしょう。

季語「冬の風」に悠花さんの頬っぺが痛くはならなかったでしょうか。

 

  湯豆腐や裏山遠く鎮もれる                                 こつこ

自宅の窓から山が見えるのって素敵ですね。しかも湯豆腐を戴かれながら。

下五に影絵のような山の姿を思わせます。

何でもない日常の一瞬を切り取られて詩にされました。

「湯豆腐」の湯気の暖かさに筆者の眼鏡までが曇りそうです。

 

  鼻声の締めの雑炊すすりけり                              みさを

下五「すすりけり」は勿論雑炊に懸かっているのですが、

上五にも関係があるようなないような、微妙な滑稽みを感じさせられるのはさすがです。

軽妙な句ですが食卓の湯気までも見えるようで、写生の仕方を教わった気がします。

 

  土手鍋の牡蠣を数えて子らじゃんけん               昼寝

読み手を笑顔にしてくれる面白くて素敵な景ですね。

お正月で子供さん達とその家族の方が戻ってこられたのでしょう。

にぎやかな食卓を目の当たりにするようです。

牡蠣と子供さんの数の違いはいくつだったのでしょう。

牡蠣があまり好きでなかった子どもでも、じゃんけんで勝ち取った牡蠣ならば

さぞ美味しかった事でしょう。笑い声の絶えない賑やかな食卓が見えます。

 

  検査後に鍋焼き饂飩すする午後                           紀風

お体のどこの検査をされたのでしょうか。

検査前の朝食抜きは当たり前ですので気にはならないのですが、

対で頂いた「お布団で食べるおじやの暖かさ」があるので気になります。

でも「鍋焼き饂飩」を注文されるぐらいだから~なんて考えています。

検査後の食事は、空腹過ぎて食べ始めは味も解らない程だったのではないでしょうか。

さらっと句にされていますが、お体おいとい下さることを祈っています。

 

  遠来の手土産朝のすぐき漬                           芝香

「すぐき漬」おいしいですね。

筆者は京都で育ちましたからその美味しさは知っているのですが、お値段が張りますので

お正月とかお客様が見えた時、又は料理屋さんに連れていってもらった時などには

頂きましたが、普段は冬なら家で着けた水菜のお漬物でした。

京都では上賀茂のすぐきが名物ですが、遠来の方はひょっとして

京都にも用事があって芝香さんへの手土産に求められたのかもなどと想像しました。

大きな景ではありませんが、懐かしいような爽やかな景が立ち上がりました。  

 

 

  グレしゃぶの磯香たつ湯気棹の手応え                  晴音

グレ、メジナ科の海産の硬骨魚。体は鯛型で全身青黒色。東北地方以南の沿岸に分布。

食用。磯釣りの対象で東海以西ではグレと呼ぶとあります。

下五「棹の手応え」とあるからには、春音さん自身が釣り上げられ、

それは満足なさるほど大きい物だったのでしょう。

「磯香たつ」程新鮮なグレのおいしさを筆者も味わってみたいものです。

臨場感のある生き生きとした素敵な句が立ち上がりました。

 

  熱燗や紙の新聞終へんとす                                       翠丘

ニュースはスマートフォンで読まれることが多いのでしょう。

なぜなら何時でも、どこでも読むことが出来ます。

そう言えば、昔のように新聞を電車の中で広げている人を見なくなりました。

下五に新聞はすでに過去のメディアになってしまったと取れなくもありませんが、

季語「熱燗」にこだわれば、自宅に帰られて

夕食の折に新聞を広げて読まれている景の方がしっくりと馴染みます。

熱燗が程よい加減になったので新聞を読むのは終わりにしようとされている景ともとれます。

時代の変わり目を彷彿とさせる句が立ち上がりました。