let's  いめいじん句" 

「いめいじん句"」投句大募集!

 

 

 

月号「いめいじん句"」のお知らせ

 

毎月掲載される1枚のカットをもとに、

自由な発想による作品を募集します。

応募された作品を選者が鑑賞いたします。

初心者の方も大歓迎!お気軽にご応募ください。

今月募集する作品は右のものです。

                                   カット:山本耀子

                                                                                                                                             

[例句]

春の蝿土瓶のつるを渡りをり

霾天の鳥居をくぐる陶器市

菜種梅雨沸き立ちてきし薬草茶

                                                                                 

 ●投句方法

 投句はメールでお願いします。

専用投句フォームに必要事項をご記入のうえ

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下記のアドレスでも受け付けています。

info@kaseihaikukai.com

 

 

 

●締め切り

 

30日(火)

 

●入選作品発表

 

月予定

 

               


3月号「いめいじん句"」  入選作品発表

                     河崎尚子選

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  黄砂降る高架の下の日本橋                             坂倉一光

江戸時代に掛けられた日本橋は隅田川と外堀とを結ぶ日本橋川にかかり、

浮世絵にも描かれました。又、橋の中央は五街道の始点となっています。

花崗岩の美しい橋ですが、現在は上に首都高速都心環状線が走っています。

歴史ある美しい日本橋の上に高速路があるのは写真で見ても無粋ですね。

中国からの黄砂が空を覆う季節になりました。高架が無かった時も

高架下となった今も変わらず、美しい日本橋にも黄砂は降っているのでしょう。

写生句ではありますが、ちょっと侘しさの籠った心の写生句でもあります。

 

  合格す君はけふから医学生                                   南野ひとし

医学部に合格された方はひとしさんの子供さんでしょうか。

とても素敵なお祝い句となりましたね。

合格された「君」も勿論嬉しいでしょうが、

ひとしさんの喜びも尋常ではないことが伝わってきます。おめでとうございます。

 

  春疾風コスメティックのビルボード                    田中哲司

「コスメティックのビルボード」は 化粧品の屋外広告看板の事でしょうか?

都会の目抜き通りのビルの高みから微笑む美女が行く人に秋波を送っている大きな看板と

「春疾風」との取り合わせは、ラブコメデイの映画の一場面のような洒落た雰囲気を思わせます。

春一番の吹き初めた目抜き通りの早春の景。

 

  黒板のランチのメニュー花吹雪                            こつこ

満開の桜が散り始めた道筋のレストランの店先に

手書きの「ランチのメニュー」の黒板が立ててあるのでしょう。

京都なら高瀬川沿いの木屋町通の景でしょうか。

鴨川の花吹雪にはかないませんが高瀬川の桜吹雪にも情緒があります。

何処かの洒落た街の春爛漫の景。

 

  西域の寺院に響く古琴春                                        芝香

「古琴とは中国の古い伝統楽器で七弦琴とも呼び7本の弦を持つ。

また古琴は、中国の文人が嗜むべきとされ、孔子、諸葛孔明、陶淵明など

歴史人によって演奏され、また日本でも菅原道真が学んだことが知られている」とあります

西域の寺院、シルクロードに沿って西から仏教がそして文化も伝えられた歴史を

顧みさせるエキゾチックで情緒ある、写生句。                                                                   

 

  春宵や城壁都市に酌むワイン                                みさを

城壁都市、外敵から街と市民を守るため周囲に城壁や堀などを巡らせた都市。

ヨーロッパでは近隣の都市国家同士の戦いも相当あり、

特にイタリアは1868年に統一されるまではたくさんの都市国家に分裂していました。

それも城壁が建設された理由の一つであります。

そしてその城壁都市は必ずと言っていい程それぞれのワイン蔵をもっていたそうです。

みさをさんはどの国を訪れられたのでしょう。

春の宵のワインは美味しく特別の香りもあったのでしょうね。

 

  定刻の鐘鳴り響く春の朝                                        紀風

外国詠が続きます。「春の庭ゲーテハウスの草揺れて」の句も頂きましたので

ドイツに遊ばれた時の句だと分かりました。

多分どの国の鐘も決まった刻に鳴らされるのでしょうが、

紀風さん自身、いかにもこの国らしいなと思われているのが上五の表現に見え、

イツ人の几帳面さに感心されている事と

少しの揶揄が混じった作者の心模様を感じさせられます。

 

  青空に芽吹く里山吾を誘う                                    昼寝

すっと景が読み手の心に入って来ます。

空の青さと早緑の芽吹きの色のコントラストがとても美しいと思います。

が、下五の常套なフレーズが句を観光ポスターの様にしてしまいました。

虚子の句に「白牡丹といふといへども紅ほのか」がありますが、

言いたいことは「白牡丹に紅ほのか」のみ、なので、中七はその為になされた工夫である、

と読んだ記憶があります。青空と芽吹きだけに焦点を絞る工夫をしてみられたら

もっと句が締まると思うのですが。

 

  春休み故郷の父母笑み絶えぬ                                3746

3746さんが春休みの子供さん達とお里へ行かれたのでしょう。

作者のご両親の言葉にならない幸福感が伝わってきます。

理由なんかないのです。生き生きと元気な幼い生命の存在自体が嬉しいのです。

下五のフレーズに子供さんがとても元気で田舎を楽しんでいられることも伝わります。

 

  春宵や居留地行き交ふ異国訛                                 翠丘

居留地、幕末開国当時貿易都市の一部を限って外国人の居住や営業を許可した地域のこと。

明治32年廃止されたが、神戸では今も元町辺りを人々は居留地と呼びます。

また、外国人も多いです。日本で育った人は外国籍の人でも流暢に日本語を話されるが、

日本で働いている人の中には日本語はできるが、

日本人のカタカナ英語の様に出身国なまりの日本語も行き交っているのでしょう。

 

  独唱の声響く胸桜揺れ                                              晴音

美しく、ボリュームのある声が聞こえてきそうです。

ソロで歌われる時は腕を広げ、中七に描かれた通り、胸で歌われているのが解ります。

下五「桜揺れ」は比喩でしょうか、それとも花瓶に生けられた花が実際に震えたのでしょうか、

どちらにしてもその声の良く響くことが伝わります。

生き生きと景が見え、程よい俳味をも感じさせてくれる素敵な句です。