let's  いめいじん句" 

「いめいじん句"」投句大募集!

 

6月号「いめいじん句"」のお知らせ

 

毎月掲載される1枚のカットをもとに、

自由な発想による作品を募集します。

応募された作品を選者が鑑賞いたします。

初心者の方も大歓迎!

お気軽にご応募ください。                                                                                                                                                                                                                                                                                   

 

                                    カット:山本耀子

                                                                                                                                          [例句]

水音の途絶えしあたり花菖蒲

花あやめだあれも来ない山の沼

青鷺の見据ゑる先に動くもの

                                                                                 

 ●投句方法

 投句はメールでお願いします。

専用投句フォームに必要事項をご記入のうえ

送信してください。

↓     

いめいじん句" 投句はこちら

 

投句フォーム以外での投句をご希望の方は

下記のアドレスでも受け付けています。

info@kaseihaikukai.com

 

 

 

●締め切り

 

30日(金)

 

●入選作品発表

 

月予定

 

               


5月号「いめいじん句"」  入選作品発表

            蘭定かず子

 

 

 

 

 

 

  

 

 

  春霖に過ごす古民家畳の香 葵

「霖」は長雨のこと。「春」がつくことによって明るさが加わります。

「畳」がくれば「民家」は必要ないと思います。 

減った字数の分、より情景が分かる語彙を足されてはどうでしょう。

もしくは「古民家」に焦点を絞って詠むのもいいと思います。

 

  月涼し離れ座敷の針仕事 垣内孝雄

情景がよく見えます。離れで針仕事をされているのはお母様でしょうか。

さまざまな衣類がたやすく手に入る今と違って、 

かつての母親たちは家族の衣類を縫ったり繕ったりしたものです。 

「月涼し」が効いています。

 

  トンネルの貫通したるかき氷 坂倉一光

山の形に盛り上げたかき氷。

スプーンで崩しながら食べるのは楽しいものです。

子供さんでしょうか、崩さぬようかき氷の山にトンネルを開けたのですね、お見事!

 

  萌え袖てふ長き袖丈ソーダ水 芦田美幸

「萌え袖」とは、ちょっと大きめのセーターなどを

袖口から手を完全に出さずに着る事、とのこと。初めて知りました。

幼く見えさせる効果があるようです。

袖口から少しだけ覗かせたきれいな指でストローを回す仕草など見せられたら、

確かに相手はきゅんとなりそう。

おばさんにはちょっとあざとく見えなくもないのですが…

 

  梅雨が来る紫陽花だけが癒しかな  笑姫

「梅雨」「紫陽花」と季語が重なってしまいました。

梅雨に紫陽花はつきものなので、その点も気になります。

どちらか一方に絞っては如何でしょう。紫陽花を更に観察してみる。

鬱陶しいばかりではない梅雨の美しさを見つける。等々、いろいろ詠んでみてください。

 

  綻びはいつものところ太宰の忌 宇佐美好子 

カットから「綻び」という言葉を思い浮かべられたのでしょう。

これは私的な感想ですが、季語「太宰の忌」から、

たとえば人間関係の「綻び」のような印象をこの句から受けました。

「いつものところ」の辺りをもっと深めていけば

「太宰忌」らしい鬱屈した趣が出せると思うのですが。

 

  新緑とゆっくり二合老いの午後 昼寝

「滝道での連作」とあるので、この「二合」は山道の道のりを指しているのでしょう。飲酒の「合」と紛らわしいので、<滝めざしゐる新緑の昼下がり>ではどうでしょう。

 

  大縄が回り回って梅雨に入る 翠瑚

大繩跳びの、縄のゆったりと広やかに回される様子を、

永々と巡る季節の循環に例えられたのでしょうか

独特の感性で「梅雨」を捉えていて興味深く感じました。

 

  月涼し机上に母の裁縫箱 芝香

この句も「母」と「裁縫」の取り合わせです。

ある一定以上の年代の者にとって、懐かしく思い浮かべる光景なのでしょう。

 

  細やかに縫ひ上げなおす浴衣かな  藤川雅子

そろそろ浴衣の季節ですね。

「細やかに」が、浴衣を縫っている作者の気持を表していて好感をもちました。

只、「縫ひ上げなおす」の部分の意味が分かりにくいように思います。

<細やかに縫ひ上げし子の浴衣かな>ではどうでしょう。