let's  いめいじん句" 

「いめいじん句"」投句大募集!

 

 

 

月号「いめいじん句"」のお知らせ

 

毎月掲載される1枚のカットをもとに、

自由な発想による作品を募集します。

応募された作品を選者が鑑賞いたします。

初心者の方も大歓迎!お気軽にご応募ください。

今月募集する作品は右のものです。

                                                                                                                                      

                                   カット:山本耀子

                                                                                                                                             

[例句]

夏あざみ原野の色となるサイロ

草いきれ祠に光るアルミ銭

ふれあひ牧場夏草をひと握り

                                                                                 

 ●投句方法

 投句はメールでお願いします。

専用投句フォームに必要事項をご記入のうえ

送信してください。

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下記のアドレスでも受け付けています。

info@kaseihaikukai.com

 

 

 

●締め切り

 

31日(火)

 

●入選作品発表

 

月予定

 

               


6月号「いめいじん句"」  入選作品発表

                     河崎尚子選

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   梅の実と氷砂糖やこの季節                                     上山まこと

梅ジュースか、梅酒を毎年漬けられているのでしょう。

市場に氷砂糖や焼酎が並ぶ季節になると、心せわしくなりますね。

その思いは読み取れますが、下五の観念的な「この季節」が気になります。 

例えば「卓上に」などと景にされたら(もっと良い下五があると思うのですが)

梅酒の出来上がる時を思いながら、丁寧に梅の実を布巾で拭いている子などを思わせます。

下五は梅の実のなる「この季節」の瑞々しさを事柄にしていると思うのですが。

 

 未来より今目の前の生ビール                                  坂倉一光

仲間の方々と未来のことやお仕事にについて話し合われている景が浮かびます。

そこへビールが運ばれてきたのでしょう。グラスは冷たさに白く曇っています。

思うだけで咽が鳴りそうな句です。

日常の何気ない瞬間をとらえて俳味のある一句にされました。

NHK俳句、拝見させていただきました。おめでとうございます。

 

 床の間に岳父屠蘇汲む一斗樽                                   昼寝  

お正月、奥様の実家を訪れられた時の句でしょう。

一斗樽を据えて新年を祝うなんてなんと豪快でゴージャスな場面でしょう。

奥様の実家に行かれる事は、緊張を伴う事でしょうが、樽酒の杯を重ねられる内に緊張もほぐれ、お舅様との会話も弾み、間柄の硬さも砕けて実の親子か友達かの様に話も弾んだことでしょう。

おめでたい景を目の当たりにしているようです。

 

女子会のビヤガーデンや遠汽笛                               こつこ

海岸近くのビヤガーデンに楽しんでいられるのでしょう。

女性ばかりの飲み会は気楽でビールも思うより進むようです。

笑い声も、話が盛り上がるにつれて華やかなものになるのでしょう。

下五「遠汽笛」が海風や海岸通りのエキゾチックな雰囲気をも思わせて、

とても効いていると思います。

 

夏至過ぎてグレーの空とセーラー服                       白根紗知子

夏至過ぎの空の色と真っ白なセーラー服との対比が新鮮です。

筆者の近くにもカトリック系の女学校がありますが、セーラー服の少女たちは、この時期、

中間試験中なのか、大勢の少女が一度に通学路や駅などに群れているのを見かけます。

夏至過ぎのグレーの空色は、この年齢独特のもて余すほどのエネルギー、

そして思春期の気持の不安定さをも暗示させます。

くっきりと立ち上がった景と同時に、精神的なものを感じさせる奥行きがあり素敵です。

上五「夏至過ぎて」を「夏至過ぎの」にされる方がすっきりとしたリズムになると思うのですが。

 

竹馬と夏空の下三十歩                                                白根悠花

竹馬で三十歩も歩けるなんてすごい!校庭で歩くのですか?それとも公園で、ですか?

竹馬に乗って見下ろす景色はいつもの景色とは少し違うのでしょうね。

下五の言葉「三十歩」はもうすでに危なげない足取りで、

自信たっぷりに竹馬に乗っていられる姿を読む人に想像させ、

現に今、悠花さんの歩いている姿が見えているように思えるほど、楽し気な写生が出来ています。

 

ペチュニアの紅きに止まる雨の粒                            みさを

ペチュニア、夏の代表的な可憐な草花。漏斗状の花をたくさんつけます。

雨の粒と表現されているからには降り始めなのでしょう。

花に止まった雨粒も紅色に染まってピンクの真珠の様のように見えるのでしょう。

一瞬の景を掬われて一句にされました。花の命は短いと言いますが、ペチュニアは一日花ですね。短い命のある一瞬の写生。カメラのシャッターを切ったような写生句。

 

風青し窓一面の葡萄棚                                                 紀風

窓の庇つづきに葡萄棚が延びている景です。

窓ガラスも、葡萄棚の下の影もそして部屋の物陰も、

上五で表現されているように緑を帯びているのでしょう。

もう葡萄の実もそこそこ大きくなっているのでしょう。見えるようです。

深呼吸をしたいと思わせるような涼しげな景が立ち上がりました。

 

 時薬に優るものなし梅雨明けぬ                                  翠丘

この句の後ろには作者の心の痛みが隠れています。

が、季語がもう今は作者が鬱々とした苦しい気持から抜け、

過去の悲しみに少し距離を置いて経験として見ていられることを示唆しています。

季語をこのようにさり気なく、しかし大きく働かせていられることに心打たれました。

多くを「言えない」のではなく「言わない」俳句の余情を感じさせられました。