let's  いめいじん句" 

「いめいじん句"」投句大募集!

 

 

11月号「いめいじん句"」のお知らせ

 

毎月掲載される1枚のカットをもとに、

自由な発想による作品を募集します。

応募された作品を選者が鑑賞いたします。

初心者の方も大歓迎!お気軽にご応募ください。

 

 

 

 

 

 

                                                      カット:山本耀子

                                                                                                                                             

[例句]

二階から爪弾く音も冬あたたか

冬ざれや酒場にこもるファドの音

外套や港に旧きショットバー

                                                                                 

 ●投句方法

 投句はメールでお願いします。

専用投句フォームに必要事項をご記入のうえ

送信してください。

いめいじん句" 投句はこちら

 

投句フォーム以外での投句をご希望の方は

下記のアドレスでも受け付けています。

info@kaseihaikukai.com

 

 

 

●締め切り

 

1130日(土)

 

●入選作品発表

 

12月予定

 

               


10月号「いめいじん句"」  入選作品発表

                     河﨑尚子選

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

  冬麗や母から父へ贈物                                  菅野 強

お父様の何かの記念日なのでしょうか。

夫婦として素敵な日々を過ごしてこられたことを彷彿とさせます。

季語「冬麗」がとても効いていて、お二人の苦楽を、

そして支え合われて来られた幸せを喜んでられることを目の当りにするようです。

この句を読む者にも「幸せのおこぼれ」を貰ったかに感じさせます。

 

  時計屋の親爺の背中暮の秋                         上山まこと

時計屋さんの主人と言えば、いつもお客さんに頼まれた時計を

修繕されている姿が思い浮かびます。店の奥ばった所で、丸い虫眼鏡を片目に嵌め、

背を屈め、客に見向きもせず、一心に時計の修繕に精を込めていられる姿を思います。

季語「暮の秋」に去りゆく秋を惜しむように、

「時計屋の親爺」を懐かしく思われる気持ちが窺えます。

 

  片膝が落ちてラグビーノーサイド              坂倉 一光

ノーサイドとは敵味方なし、という意味。ラグビー場の空に響き渡る、ノーサイドの笛。

負けて泣く選手たちと勝って嬉し泣きの選手たちが互いに健闘を讃え合うとあります。

上五、負けたサイドの選手の片膝でしょうか。

目いっぱいに張っていた気持ちが切れたことを思わせ、ラグビー場の臨場感が伝わります。

優勝した南アフリカには負けましたが、日本選手の健闘には心打たれました。

 

  宵冷えの闇に時告ぐ古時計                           昼寝

「大きなのっぽの古時計」は柱時計ですが、この時計も柱時計のような気がします。

日暮れてまだ間もないのに、すでに冷えを感じさす大きな部屋の古時計が鳴りだしました

作者の自宅か実家の景と読みました。歴史ある旧い家柄の屋敷なのでしょう。

この家に続く決して揺るがない家訓のようなものを感じさせます。

景のみの描写がそれを越えて、受け継がれてきた精神までを思わせる句だと感じました。

 

  インパネスの懐中時計やをら出し                みさを

インパネス、男性が和服の上に着た袖のないコート。

形が鳶に似ているので「とんび」とも呼ばれた。

インパネスに懐中時計、まるで芝居の世界に居るようで次の展開が気になります。

インパネスの男が逢引の時間になっても来ない女を待ちわびて

懐中時計を手にした景なのでしょうか。芝居の続きを見ていたいものです。

 

  夜半の月墨絵のごとく現れり                        芝香

夜も更けてからの月、しかも墨絵の様に輪郭がぼ~と霞んでいる。

月が雲間から現れても辺りが少し明るくなる程で夜更けの暗さは変わらない。

行く秋の淋しさを思わせる景が立ち上がりました。

一服の絵のような景を17文字できっちりと表現されていると思います。

 

  秋澄みてじつと眺める空の色                         紀風

今年は台風の被害が重なり、しかも尋常ではありませんでしたが、

その甚大な被害が嘘のように、ここ二三日、透き通るような

美しい青空を見られるようになりました。

中七に被災者への作者の思いが滲み出ているのを感じさせられます。

 

  秋の暮れ月のゆりかご星誘う                        春音

まるで童話のような幻想的な世界が立ち上がりました。

この月は上弦の月(かみつ弓張)なのでしょうね。

日没には、月の右半分が輝き、真夜中に弦を上にして月の入となるとありますから、

入りに近い月のカーブを「ゆりかご」のようだと表現されて、

下五のフレーズは月の入りの後、星の輝きがよりはっきりし出し来ることを

「誘う」と表現されたのでしょう。

 

  深秋や面影探す同期会                   翠丘

十何年振り、いえ何十年ぶりの同期会だったのでしょう。

十代もしくは二十代だった頃の姿や面影は跡形もなくなっている人もあれば、

笑い顔や仕草に面影が残っている人も居られたでしょう。

寡黙だった人が、話し上手になっていたり、女性なら細っそり、楚々としていた方が、

ふくよかを通り越して、丸々と肥え、妙に親しげなおばちゃんとなった方もいらしたのでしょう。面影を頼りに、逢いたい方に会われたのでしょうか。

それとも会えたその方にはもう昔の面影は見つけるのが難しかったのでしょうか。

場合によって年月とは残酷ですから。