let's  いめいじん句" 

「いめいじん句"」投句大募集!

 

9月号「いめいじん句"」のお知らせ

 

毎月掲載される1枚のカットをもとに、

自由な発想による作品を募集します。

応募された作品を選者が鑑賞いたします。

初心者の方も大歓迎!

お気軽にご応募ください。                                                                                                                                                                                                                                                                        

                                     カット:山本耀子

                                                                                                                                          [例句]

大盛の飯存分に初秋刀魚

新米やうるめいわしの小皿出て

猫の名は大塚さんなりさんま焼く

                                                                                 

 ●投句方法

 投句はメールでお願いします。

専用投句フォームに必要事項をご記入のうえ

送信してください。

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いめいじん句" 投句はこちら

 

投句フォーム以外での投句をご希望の方は

下記のアドレスでも受け付けています。

info@kaseihaikukai.com

 

 

 

●締め切り

 

30日(土)

 

●入選作品発表

 

10月予定

 

               


8月号「いめいじん句"」  入選作品発表

            大山文子

 

 

 

 

 

 

  

 

 土日でも平日でもなく終戦日     坂倉一光

 

微妙なところを詠まれたと思います。

確かに8月15日は国民の共有すべき特別な日です。

戦没者を悼む政府主催の記念式典もありますし、

甲子園では正午のサイレンと共に黙祷が捧げられます。

しかし、国民の休日にはなっていません。負け戦ですから祝祭日にはならないのでしょうね。

国民のほとんどが戦争を知らない世代になりました。

後期高齢者の中にも戦後生まれが増えました。

私の父はチンタオから引き揚げてきました。

衛生兵だったそうですが多くを語らず逝ってしまいました。大山の父は戦死でした。

世界には新たな戦争が始まっている国や地域があります。

諍いのない平和な地球を祈るばかりです。

 

 濡れしままの海女もどる鏡の前    藤川雅子

 

良いところをとらえられましたが、残念なことにリズムが悪いですね。

海女小屋に鏡があるなんて思いもしませんでした。

海女さんたちの矜持を見た思いです。

姿見のような大きな鏡ではなく、手鏡か置き鏡のような小さなものでしょう。

濡れしままの海女を映せる置き鏡

  

 浮輪の子空の高みに鳶の笛      垣内孝雄

 

空はあくまでも青く澄み渡り凪の素晴らしい海水浴日和です。

子供は浮き輪につかまってぷかりぷかり波間に浮いています。

ちょっと語順を入れ替えてみましょうか。

  高みより鳶の笛降る浮輪の子

 

 灯台の見え隠れする芒の野      宇佐美好子

 

素晴らしい芒原ですね。銀色の穂が海風に大揺れです。

この灯台は今立っている場所より低い位置にあるかも知れません。

夜ではなくまだ灯が点っていないようです。

広大な芒原が揺れて灯台が見え隠れします。この後厳しい冬が訪れます。

今、日本では無人の灯台がほとんどです。

五島列島で見下ろした灯台を思い出しました。

 

 蜩や主治医の指せる肺の影      芦田美幸

 

恐ろしい場面が想像できます。

私にも経験がありますよ、り患したのは夫でしたが。

レントゲン写真を指差して、「ここに影がありますね」と言われたときは息が詰まりました。

素人の悲しさで影と言われればそう見えますが

「あ、そうか」くらいにしか受け取りませんでした。

夫の場合は「水」「肺水腫」でした。何度か注射器で水を抜きました。

さて、掲句重大場面で取り合わせたのが「蜩」です。

これをどうとるか、読み手に任されました。あなたはどうとりますか?

 

 子の疑問海女はどれほど潜るのか   翠湖

真っ向勝負の直球のような一句にちょっと狼狽えています。

海女漁は潜水漁ですからお子さんの疑問は深さかそれとも時間か、はたまた両方か。

 海女さんの潜る時間を問はれたる

 海女さんの潜る深さを問はれたる

上がってきた後の磯笛にも驚かれたでしょうね。

 

 青空を隠し逃げゆく驟り雨      昼寝

 

この夏ほど雨が欲しいと思った夏はありませんでしたね。

連日の猛暑に草木も人も疲れ果てました。

  青空を追い詰めてゆく驟雨かな

 

 草書めく秋の橋立一文字       芦田美幸

 

美幸さんの句をもう一句、俯瞰された天橋立です。

真っ直ぐではなく少し曲がっているところを草書風と捉えられました。

でも先人が詠まれているような気がします。

ちょっと残念です。